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子宮頸部 高度異形成(CIN3) 名医による円錐切除術

細胞診(クラスIIIa)・組織診(CIN3)で円錐切除術。HPVハイリスク16型感染。円錐切除術の比較・リスク・対策・予防。また、他の治療法(レーザーなど)との比較。「今できること」をまとめています。

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子宮頸がん(異形成)と低用量ピルの関連性

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かつて、子宮頸がんの誘発因子と言われた低容量ピルの服用について。
現在の医学での関連性と、私が病院で聞いたことをまとめます。



「ピルの服用がリスクを高める」は本当?!


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避妊目的に限らず、月経困難症や排卵障害、子宮内膜症の治療など様々な目的で低容量ピルを服用している方も多いと思います。
管理人も多嚢胞卵巣で自然排卵が困難なため、長期(5年)にわたり低容量ピルを服用していました。

子宮頸がん(異形成)と診断されてネットで情報を調べていたところ、低容量ピルの服用が子宮頸がんリスクを高めるという記事を目にしました。

・低容量ピルを5年以上服用 → 子宮頸がんリスクがわずかに増加
・低容量ピルを10年以上服用 → 子宮頸がんリスクが2倍に増加



しかし、低用量ピルが子宮頸がんリスクを高める理由は医師によって見解の相違がありはっきりと明らかにはされていません。


1)低容量ピルの薬理的な理由
2)低用量ピルを飲んでいるとコンドームを使わない人が増え、HPVに感染しやすくなる


さらに、(1)については実証のない見解であり、子宮頸がんの原因はHPVであると断定されてからこの見解が大きく否定されています。


低用量ピルが子宮頸がんの誘発原因になるかは明らかではありませんが、長期にわたって低用量ピルを服用している場合は、子宮頸がん検診を必ず定期的に受診して下さい。



子宮頸部異形成と診断された場合、ピルの服用はどうする?



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=その他メリットを考え、継続服用を勧められるケースが多い


管理人は子宮頸部異形成において3つの大きな病院にかかりましたが、どの病院でも低容量ピルは今後も継続服用してくださいと強く勧められました。

理由は、低用量ピルの服用によるメリットが大きいからです。


【低用量ピルのメリット】


①卵巣癌の予防
ピルの服用中は排卵しないので、卵巣は休んだ状態、つまり休息している状態です。
卵巣膿腫や卵巣癌は月に一度の排卵によりリスクが高まるので、ピルを服用すると卵巣癌の予防になります。


⑵子宮体癌の予防
子宮体癌は子宮内膜の中に発生しますが、発生しても月経とともに剥がれおちる仕組みになっています。
生理不順や閉経により月経がないと、内膜が剥がれず異常な癌細胞も剥がれなくなってしまうことから、ピルの服用で毎月月経を起こすことが子宮体癌の予防になります。
また、ピルの服用中は子宮内膜が薄くなるので子宮体癌の発生リスクも低下します。


③不妊症の予防

不妊症の原因は様々ですが、子宮内膜症や多嚢胞卵巣も要因の一つになり得ます。
子宮内膜症は、放置すると受精や排卵を妨げるので不妊になるリスクが高い病気です。
ピルを服用して子宮内膜症を改善することで、不妊症を予防することができます。

また、多嚢胞卵巣も放置すると不妊症のリスクが高まります。
低用量ピルには、多嚢胞卵巣の原因である高LH状態を改善する働きがあります。
妊娠希望まではピルを服用してホルモン値を整え、卵巣を休めて良い状態にすることが不妊症の予防になるのです。



注意!「乳癌」と診断されたら服用中止

低容量ピルを服用することで、乳がんになる可能性が高まるということはありません。
しかし、すでに乳癌が発症した方や、過去に乳癌の既往歴がある方はピルの服用を中止するよう勧められています。

低容量ピルは乳癌を悪化させる可能性があるので、担当医とよく相談してください。
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